2019年12月21日土曜日

泌尿器科外来・年末年始のお知らせ

今年も残すところあと僅かとなりました。
姫野クリニック泌尿器科外来の年末年始の休診予定は下記のとおりです。


もちろん透析はいつもと変わらず行っています!

2019年12月14日土曜日

中国腎不全研究会学術集会へ参加しました!

先ごろ、広島で開催された中国腎不全研究会学術集会へ参加したメディカルアテンダントより寄稿がありましたのでご紹介します。

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中国腎不全研究会学術集会へ参加しました!

 12月8日に広島で開催された第28回中国腎不全研究会へ、医師・看護師・技士・メディカルアテンダントで参加してきました。出雲姫野クリニックからは6題の発表を行いました。

 今回は、初めて私たちメディカルアテンダントが参加し、「透析室担当のメディカルアテンダントが泌尿器科外来を経験して見えたもの」をテーマに篠原が発表をしました。

 
2018年からスタートした外来応援から得た業務改善を紹介しました

 慣れない発表への準備と日々の業務の両立に悪戦苦闘の毎日を過ごしましたが、とても良い発表だったと褒めていただき、素晴らしい達成感を味わうことができました。

 今後も透析室・外来だけでなく、院内全体で活躍できるメディカルアテンダントを目指して頑張ります!

2019年12月13日金曜日

もうすぐクリスマス♪

クリスマスまであと10日ですね。
院内にもクリスマスムードが漂っていますよ~。


2019年11月25日月曜日

いよいよ冬本番!

 早いもので、11月もあと数日を残すのみとなりました。師走・忘年会・大掃除・・・そんな単語を聞いただけで何となく気ぜわしく、落ち着かない気持ちになってしまいますね。

 今日は午後からグッと冷え込んでいよいよ冬らしくなりました。冬といえば、筆者の住んでいる場所の近くの川には毎年この季節になると白鳥が飛来します。

 今年は秋から河川の工事が行われており、例年通り飛んできてくれるか案じていましたが、11月中頃から数羽が元気な姿を見せてくれました。それから1羽、2羽と数が増えて今では結構な大所帯になっています。


つぶらな瞳が可愛いですよね


  毎朝通勤する際、泳いでいる姿を見ては「お~、寒そう!」と思っていますが、白鳥達はそんな心配どこ吹く風。大急ぎで車を飛ばして仕事へ向かう人間たちを横目に、優雅に気持ちよさそうに過ごしています。慌ただしい師走、白鳥の所作を見習ってみようかしら・・・。


2019年11月13日水曜日

甲府で開催された在宅透析研究会へ行ってきました!

在宅透析研究会に参加した立脇看護師より寄稿がありましたので掲載いたします。

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 11月2・3日に甲府で開催された第22回血液透析研究会へ、透析室スタッフ2名で参加してきました。

 在宅血液透析に携わっておられる先生方の貴重なお話がたくさんありました。やはり穿刺に関する内容が多く、患者さんへの指導方法や、頻回穿刺からどのようにシャントを守るかなど、様々なお話を聞くことができました。

 宿泊先のホテルの窓から富士山を拝むことができ、感動しました。やはり富士山は日本一だな~、と思い写真をパチリ。

先っちょだけですが…富士山のオーラが出てますよね


 そして、甲府の名物といえば、ほうとう!しっかり頂きました。ワインも堪能し、大満足(^^)。お土産には信玄餅を買って出雲に帰りました。


2019年10月25日金曜日

インフルエンザ、流行始まっています!

 10月も終わりに近づき、なんとなく気ぜわしくなってきました。毎年言っているような気がしますが、あと2ヶ月と少しで今年が終わるなんて、信じられない気持ちです。

 さて、朝晩少しづつ気温が下がってきて冬の気配がしてきましたね。そろそろインフルエンザが流行する季節です、と言いたいところですが、一部地域では既に流行が始まっているんですよ!斐川では10月中頃早くも学級閉鎖になった小学校もあったようです。

 厚生労働省のホームページによると、日本での流行のシーズンは毎年12月~3月とされています。これから冬に入り、空気も乾燥してくると本格的な流行がスタートします。

 しかし必要以上に恐れることはありません。インフルエンザは予防できます!うがい手洗い、マスクの装着を心がけて自分や家族をインフルエンザから守りましょう!



2019年9月30日月曜日

中四国在宅透析研究会へ行ってきました

 中四国在宅透析研究会へ参加した在宅透析チームより寄稿がありましたのでご紹介します。

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 今回、このような研究会が中四国で開催されていることを初めて知り、参加させていただきました。身近な施設の在宅透析にまつわるお話が聞けて、とても勉強になりました。

 11月には、第22回在宅血液透析研究会が開催されるので、また参加してきます!

追伸:今回の会場は広島県でした。お好み焼きをいただいてきました(^^)



2019年8月30日金曜日

九州豪雨について


ここ数日、九州の豪雨被害のニュースが報じられていますね。川が氾濫して個人のお宅が浸水する様子や、水が引いた後に水浸しになった家財道具を片付ける被害者の方々の様子は、何度見ても胸が痛みます。

 中でも強く印象的だったのは、佐賀県杵島郡大町町の順天堂病院が川からあふれ出た水によって陸路を閉ざされ、孤立した状態になっている様子です。順天堂病院では、入院中の患者さん、医療スタッフ、自主避難した近隣の町民、併設する老人保健施設の入居者さんの併せて215人が建物内に取り残されたそうです。自分が取り残された側の人間だったとしたら、自分の家族が入院中であったとしたら、、、想像すると辛い気持ちになりますね。この記事を書いている830日朝現在、今も孤立は続いており、当事者の皆さんは祈る様な気持ちでいらっしゃることだと思います。(追記:30日午前のうちに孤立は解消され、陸路での通行が可能になったようです)

 ありがたいことに、私たちの住む島根県東部はここ何年か大きい災害に襲われることもありません。「大社さんがあるけん、大丈夫だわねぇ」と冗談めかしておっしゃる方もいらっしゃいますが、こうしてテレビのニュース、新聞の写真を見ていても、どこか他人事のような気持ちがしていませんか?

 災害時・非常時には、今通院している姫野クリニックで同じ内容の透析治療が受けられるとは限りません。透析時間が短くなる場合もありますし、被害の状況によっては別の病院へ出向いて透析をしないといけない可能性もあります。そういった環境に対応できるよう、何事もない平穏な時こそ、常にいろんな可能性をイメージして生活してみましょう。自分の透析時間を把握しておく、お薬手帳を常に持ち歩く、非常時の食事について考えてみる、など小さなことから始めてみましょう。自分で自分を助ける「自助」の気持ちが大事です。



2019年8月10日土曜日

接遇の勉強会を行いました

 7月30日(火)、外部より講師の先生をお招きして接遇の勉強会を行いました。この勉強会は、姫野クリニックのメディカルアテンダントが自主的に企画・立案したものです。当日はメディカルアテンダントのみならず、看護師・臨床工学技士・事務と、全ての職種が参加し行われました。





 今回の講演は「医療機関の接遇とコミュニケーションのあり方」というテーマでした。講師の先生からは、医療の資質の向上のためには医療技術・安全確保と並んで「コミュニケーション能力・接遇力」が必須であると教わりました。

 筆者が印象に残ったのは、コミュニケーションには「言語的」なものと「非言語的」なものと2種類あるというお話です。

 「言語的」コミュニケーションとは・・・
    ●あいさつ ●返答 ●話し方 ●言葉遣い など

 「非言語的」コミュニケーションとは・・・
       ●表情 ●聴き方 ●視線 ●動作 など

 (参考文献・(財)労災保険情報センター
「シンプルに考える医療人としてのコミュニケーション」)

・・・ということなんだそうです。

 続けて先生から、人がコミュニケーションを取る時に受け取る情報を100%とすると、視覚から受け取る情報が55%、聴覚から受け取る情報が38%、言語から受け取る情報が7%に分類されると教わりました。

 つまり言葉で話す以上に、表情・聴き方・視線・動作から与える印象の方が影響力が強いという事ですよね。仕事が立て込んでいる時、電話が鳴り続けている時、ついつい最低限の「言語的コミュニケーション」のみになってしまっているかも!と我が身を振り返りました。よく言われることですが、忙しいとは心を亡くすと書きますよね。繁忙を言い訳にせず、常に心のこもった対応を心掛けたいと思いました。

 今回学習した内容は基本的なことも含まれましたが、やはり定期的に研修を受けることで気持ちが引き締まります!職員一同日々の業務に役立てて、通院される皆様を笑顔でお迎えしたいと思っています。



2019年7月17日水曜日

2色の百日紅(サルスベリ)が咲きました

 毎日気温の高い日が続きますね。いよいよ梅雨が明けて夏到来かしら?と思っていますが、今週末はまた雨模様とのこと。どちらにしろ体調管理に気を付けたいですね。

 さて、昨年もこのブログで話題にしましたが、今年もクリニック北側の駐車場に植わっている百日紅に花が咲きましたよ!濃いピンクと白いものと、2種類咲いています。




 ふと百日紅の花言葉ってなんだろう?と思い、調べてみましたら6つもあるものなんだそうです。

花に対しての花言葉
●雄弁
●活動
●世話好き

雄弁・活動は華やかな花の様子から何となく連想できますね。世話好き…はちょっとわかりませんね(笑)

幹に対しての花言葉
●不用意
●愛嬌

不用意に木登りすると滑っちゃうよ~、滑って落下してもご愛敬?ということでしょうか…??ユーモラスな感じです。

残る最後の1つは
●あなたを信じる
なんだそうです。由来を調べてみますと、朝鮮半島の昔話に由来するそうです。

 昔々、各地を旅していた王子がある地方を通りかかった時、その村で悪さをし人々を困らせていた竜神を退治し、生贄として囚われていた娘を助けだしました。2人は恋に落ちましたが、王子は旅を続ける必要があったため、その旅を終えた100日後に必ず戻るという約束を交わし村を後にしました。しかし娘は約束の日を前に天に召されてしまったのだそう。その娘のお墓から自然と木が生えて、美しい紅い花が咲き続けました。村人たちはこの木を娘の生まれ変わりに違いないと、「百日紅」と名づけたそうです。

…とってもロマンチックな由来ですね~。個人的には「世話好き」や「不用意」を取り消して「あなたを信じる」に統一しちゃいたいくらいです。

 そんな花言葉を思い出しつつ、百日紅を眺めてみてくださいね。


 

2019年7月3日水曜日

防災の勉強会を開催しました②

 勉強会の後半は、講師の方をお招きして「大災害を生き抜くために!」!というテーマでお話を伺いました。





 昨今、災害対策で重要な三つの柱は「自助」「共助」「公助」だと言われています。これを透析患者さんに置き換えて考えると

●自助・・・患者さん自身が、自分で自分の命を守る
●共助・・・地域の透析施設が協力して透析を行う
●公助・・・全国のネットワークを利用して被災地の透析施設を支援する

 と、このように言えると思います。

 この中で特に重要なのは患者さん自身の「自分の命は自分で守る」という強い意志と迅速な行動です。具体的にはどのようなことか、お考えになったことはありますか?

〇透析中に災害が起こる場合・・・
〇透析でない日に災害が起こる場合・・・
〇週末、2日空きの状態で災害が起こる場合・・・

 いろんな状況が考えられますよね。姫野クリニックで透析ができるのか?食事で気をつける点は?薬はどうしたらよいのか?考慮すべきことはたくさんあります。透析室では患者さん向けのDVDを準備しています。透析中に観ていただけるようにご準備しますので、興味のある方はぜひスタッフへ声をかけてください。

 ここ数日、九州では記録的な豪雨が続いています。ニュースでも「自分の命を守る行動を!」と早めの非難を呼び掛けていますね。天災はいつ、誰の身に起こるかわかりません。「ここの辺りは大丈夫」「私は大丈夫」という勝手な思い込みは捨てて、普段から災害に備えましょう。


2019年6月28日金曜日

防災の勉強会を開催しました①

 6月25日(火)に令和初めての防災勉強会を開催しました。今回は、新人職員向けの消火訓練と、全職員対象の勉強会の2本立てです。

 まず、入職2年目までの新人職員4人が玄関前に集合し、三角コーンを火元に見立てて水消火器で消火訓練を行いました。


火元を発見!大きな声で「火事だ~~」
 
無事消火完了!
 
その➁に続く・・・



2019年5月31日金曜日

患者勉強会でのI様の講演「在宅透析で元気に」

 先日のブログでお知らせしたとおり、先の患者勉強会において講演をしてくださいましたI様の原稿を掲載させていただきます。


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在宅透析で元気に

  


●透析治療に入るまで


 私は若い時に腎炎を患い、日赤でIgA腎症の診断を受けました。

30歳の時、それまでの事務の仕事を辞め、家業を継いで今日に至るまで主人と酪農をしています。46歳の時に非常に体調が悪くなり、県立中央病院に行ったときには腎臓の状態はかなり悪くなっており、あと数年で透析が必要になるだろうと言われ、大変ショックを受けました。


 酪農という1日も休めない仕事と、専門学校生・大学生の子供がいて、自分の体調を顧みる間もない時期でした。保存期を経て、平成21年から腹膜透析を、平成23年から血液透析をしています。現在57歳です。



●血液透析を始めて


 はじめ、私は家から5分で通える透析の施設でお世話になっていました。そこでは週3回、一回当たり4時間のHD透析でした。

 通うのも楽だし、ベッド数もそれほど多くはなく、看護師さんも親切に接してくださり、居心地の良いところでしたが、食事に気を付けているつもりでも、血液検査の結果が悪く、「リンもカリウムも高いですよ。貧血も進みましたね。」などと、たびたび言われたり、心胸比も大きくてどんどんドライウエイトを下げられ、ふらふらになったりしました。血圧も高く、薬をたくさん飲んでいました。

 同じころ、主人が実家に法事に行った折、そこのお寺の和尚さんが長時間透析をしていらっしゃる話を聞いて帰り、「あんまり元気でびっくりしたわ~! 松江のクリニックへ〇〇町から通っとらいと~」と言うのです。

 私もその話を聞いて、「いいなぁ」とは思ったのですが、「私はとても松江まで車で通うなんて無理…」とも思いました。

 そしてまたしばらく経ってから、今度は仕事の関係でお付き合いのある方が、姫野クリニックで長時間透析をしていらっしゃる話を主人から聞きました。主人は普段から食事制限で苦労している私を見ていたので、その方からいろいろ話を聞いて、「長時間でろ過透析をやると食事制限も緩和されて体も楽になるんだと。おまえもそこへ行ってみたら。」と言ってくれました。

 そうは言っても「私は毎回出雲まで事故なく車で通えるだろうか?」「今お世話になっているクリニックに転院を申し出て、嫌な顔をされないだろうか?」「長時間透析になったら、今よりもっと仕事や家事の時間が減ってしまうなぁ…」と、いろいろなことが頭をよぎり、なかなか決心がつきませんでした。

 1年ぐらい悶々と悩んでいましたが、このまま週34時間の透析を続けていても、弱る一方だと気が付き、決心をして、姫野クリニックへ電話をしました。その時には、「今は空きがないので、すぐには無理です。」と言われたのですが、「空きが出たら連絡します。」と言われ、希望の光が灯ったような気がしました。

 それから半年ほどして、姫野クリニックから受け入れてくださる旨の連絡があり、それまでのクリニックからも快く送り出していただき、平成27年の10月からこちらのクリニックで週35時間のHDF透析を受け始めました。
体調も良くなり、薬も減り、また、フットケアや栄養指導など、細やかに診てもらえて本当に転院して良かったと思いました。



●在宅透析を始めるまで


 転院してきて、初回の回診の時、和田先生から「今は在宅透析という方法もありますよ。」とさらりと言われ、「私は穿刺の時、怖くて針先を見ることもできないので、とてもとても無理です。」答えたのを憶えています。今となって思うと、その時に暗示をかけられていたのかもしれません。

 「在宅透析」という言葉は、心の中に引っかかって、インターネットで時々検索して調べ始めました。そして、ネット上で「在宅血液透析」という交流サイトを見つけ、そこに加入して、在宅透析をしていらっしゃる方、これから始めようとする方々と交流を始めました。

 また、主人が実家の法事に行った折、お寺の住職さんが在宅透析を始めておられ、以前にもまして元気になっていらっしゃるという話を聞きました。最初は遠い別世界の話と思っていたのが、だんだんと身近な現実的な話のように思えてきました。そうこうしているうちに、今度は看護師長さんから、「在宅透析の話だけでも聞いてみらん?」と言われ、聞くだけ聞いてみようと思いました。


その時のお話は、  

★在宅透析は、介助者に協力してもらって、患者自身が機械の操作や穿刺を行う。

★在宅透析を行うまでには、患者と介助者が医師や医療スタッフの指導の下、訓練を受けなければならない。

★家の中に機械を置く場所、給排水設備、透析の原液などの資材を置く場所の準備が必要である。

★訓練の途中で何度か理解度のテストをする。

というような内容だったと思います。そして、訓練を始めてみて、無理だと思ったら止めても良いし、途中で休んでまた始めてもいいですよ、と、ハードルを下げてくださいました。

 家に帰って、主人にその話をすると、すぐに「俺が介助者になるけん、やろう!」と言ってくれました。

 その後、和田先生、看護師さん、技士さんとで、もう一度在宅透析治療をする上でのルールや訓練のカリキュラムなどの説明をしてくださり、同意書を取り交わして訓練を開始することになりました。この時主人も同席して、説明を聞きました。

 また、実際に在宅透析をしていらっしゃる方のところへ見学にも行きました。透析を、夜間を中心に週56回して、昼間は元気に仕事をしておられる様子を見て、これは絶対やろう!と、決意しました。

 同意書を取り交わしてから、訓練が始まるまでには少し時間があったので、まずは穿刺してもらうときに目を見開いて、針先を見ることから始めました。だんだんと怖さが薄れてきて、出来そうな気がしてきました。


●在宅透析訓練


 訓練が始まったのは平成30年の6月終わりごろからでした。講義は、「透析ハンドブック」を教科書にして、腎臓の働き、透析の原理、透析の条件、透析の合併症、検査データの見方、薬について、シャントの管理、食事療法などについて学びました。

実技は、清潔操作、透析の手順、穿刺、回路の組立、機械の操作方法、異常時・トラブル時の対処方法などを実際に自分が使う透析機械で行いました。座学と実技、両方を並行して行うことで、なぜこの操作が必要なのかがだんだんと繋がりあって理解できるようになりました。

 透析をしながら、最初は私だけ、途中からは主人も一緒に講義、実技訓練を受けました。主人は仕事の都合もあり、透析の最初から最後まで通しては訓練を受けられないので、開始の操作だけ、終了の操作だけ、というふうに区切って訓練のスケジュール調整をしていただきました。

 在宅透析は、その名の通り自宅という病院のお医者様や看護師さん工学技士さんの目と手が届かないところで命に係わる治療を行うので、慎重に、一つ一つ確認をしながら行う必要があります。主人は穿刺の時や終了時の介助だけではなく、「開始前血圧計ったか?」「クランプは大丈夫か?」などと要所要所で注意してくれます。おかげで、今日まで無事に在宅透析を行うことができています。

 また、透析中に血圧低下や針が抜けるなどの緊急事態が起きた時の対処や、病院との連絡などは介助者の大事な役割です。幸い、今のところそのようなことはありませんが、信頼できる人が傍にいてくれるので、安心しています。

  私自身、一番大変だったのは、やはり穿刺の訓練です。血管の走行の確認、衛生操作、針の持ち方に注意、そしてブスリと針を刺す…本当にドキドキしましたが、在宅透析に漕ぎつけたい一心で、あまり痛さは感じませんでした。

 ビギナーズラックで、最初はうまくいきましたが、34回目ぐらいでうまく入らなくなりました。その時には、失敗したときは何がいけなかったのか、成功の時はどうだったかを記録して、次に生かせるようにと、穿刺の振り返りノートを作ってくださり、いろんなアドバイスをいただきました。また、インターネットで在宅透析をしていらっしゃる方の動画や、工夫しておられることなど、自分でも情報収集をすることで、前向きに取り組むことができたと思います。

 次に大変だったのは、トラブル時の対処方法です。技士さんから、何度も教えていただきましたが、操作方法が複雑で、頭が真っ白になってしまうことも度々ありました。それも手順書を作ってくださり、教えてもらう中で何度も改訂を加えていただき、透析中いつでも見られるように手元においてあります。何よりも穿刺を確実に行うことで大部分のトラブルは防げるとわかったので、今でも穿刺は緊張しながら行っています。

 訓練を受ける途中で、主人と一緒に3回ほど記述式のテストを受け、また実技についてもできるかどうかの確認を受け、合格できたのは10月の終わりでした。4か月の訓練を終え、平成30116日から在宅透析を開始することができました。


●在宅透析開始後の変化


 在宅透析に移行して、当初は昼間のみ、週に55時間透析を行いました。開始して、一週間もしないうちに体が楽になったと感じました。十分に食べられること、多少体重の増えが多くても、余裕をもって除水できることで気持ちの上でも楽になり、気力も湧いてきました。

 今は、会う人ごとに、「顔色が良くなったね。」と言われます。これは、実際の「顔色」と言うより「表情が明るくなった」ということだと思います。血液検査の数値も良くなりました。体温が、以前は35℃台だったのが、36℃台になり、抵抗力がついたような気がします。血圧も、以前は2日空きのときなどは高かったのが、あまり大きな変動がなく、安定してきました。そして、ドライウエイトも5か月で3.7㎏も増えました。

 昼間透析している間の過ごし方ですが、ビデオを見たり、本を読んだり、編み物をしたり、仕事の帳簿付けをしたり、時には家族とお茶を飲んだり、自由にしています。孫たちも、「おばあちゃんはお家で病院してるね~」と、幼いながらもよく理解してくれ、当初心配していた透析機械を触るなどのいたずらもなく、快適に透析しています。

  現在ひと月に2回通院して、レントゲンや血液、エコーなどの検査、診察を受けています。また、在宅透析中のトラブルについては、専用の携帯電話を使ってLINEで病院の技師さん、看護師さんに対応していただいています。今までに何回か脱血不良の対応や、機械トラブルの対応をしていただき、そのたび、画像を送ったり、テレビ電話でやりとりをして、事なきを得ました。


 在宅透析開始後5か月で夜間透析の許可がいただけたので、4月からは

週に4回×6時間(夜間) ・ 1回×5時間(昼間)

のペースで透析しています。

初めて夜間透析したときは、シャント肢の痛みや、機械の音で一睡もできませんでしたが、回を重ねるうちに少しずつ慣れてきました。それでも、少し睡眠不足気味なので、昼間に30分から1時間程度仮眠をとることもあります。

夜間透析をすると、昼間の時間が自由に使えるので、家事や仕事も十分にできるようになりました。今後はどんどん体を動かして、体力をつけたいと思っています。孫の子守も、今までは「透析があるから今日はダメだわ…」と言っていたのが、「いつでもいいよ」と言えるのは本当に嬉しいことです。


在宅透析のために用意したもの



在宅透析を行う場所

 私の場合は、皆の目が届くところが良いだろうと思ったので、居間を少し増築して、機械の収納庫・資材の収納庫、ベッドと機械を置く部分の板の間を作りました。家族皆が使う場所なので、透析をしていないときはすべてを収納して、茶の間として利用できるようにしてあります。

機械の収納庫の中には給水・排水の配管と専用電源を引いてあります。

部屋数に余裕のある方の場合は、一部屋を透析専用にして給排水の配管工事・電源工事で数万円の支出のみでおさまった方もあるようです。

ベッドも使わないときは折りたたんでおける電動リクライニングベッドを用意しました。

また、穿刺のための昇降式のベッドテーブルも用意しました。これで、ほぼ病院でやるのと同じような環境になり、在宅移行後もスムーズに穿刺や回路の接続などができました。


在宅透析をはじめて、電気代は約5000円、水道代は約3000円増えました。

私の場合は車で片道30分かけて通院していたときのガソリン代と同じぐらいです。



●おわりに


 現在全国で600人ぐらいの方が在宅透析をしているとのことです。

徐々に増えてはいるようですが、在宅透析をするにはいくつかのハードルがあり、簡単にはできないのも事実だと思います。


 介助者が必要なこともそのひとつです。共働きがほとんどなので、介助者が訓練に通うだけでも難しいことと思います。これからもっと在宅透析の認知度が高まり、勤務先の理解を得られれば介護休暇を利用して訓練に通うことができるかもしれません。


 また、患者の側から「介助者になって」とお願いするのも気が引けるというものです。私の場合は、主人から申し出てくれたので、遠慮なく飛びつきました。病院側も、一人の患者のために多くのスタッフを動員しなければならないし、リスクを負わねばならない面もあることでしょう。


 しかし、そんなハードルを一つ一つクリアしていけば、元気になって社会復帰できます。私は在宅透析に出会わせてくれた姫野クリニックの皆様、介助者になってくれた夫に感謝の気持ちでいっぱいです。後ろ向きだった気持ちから、前を向いて顔を上げて歩くことができるようになりました。


 いつまでこの在宅透析が続けられるかはわかりませんが、与えられた貴重な時間を一日でも長く、そして、今後在宅透析を始められる方のためにも、事故なく元気で過ごしたいと思っています。

2019年5月25日土曜日

第4回患者勉強会を開催しました

  去る5月12日(日)、姫野クリニックを会場に第4回目となる患者勉強会を開催しました。今回の勉強会を企画運営した担当チームの一員、板倉看護師から寄稿がありましたのでご紹介いたします。

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2019512日(日)

初夏の爽やかな日差しが降り注ぐこの日、出雲、大田クリニックの患者さまとご家族さまの40名をお迎えし、患者勉強会を開催しました。

普段顔を合わすことのない患者さま、ご家族さま同士の交流の場として、すっかり恒例となりました。



今年のテーマは

*「公立病院における透析中止」の経緯について

和田医師より説明のあと、病院の対応、透析中止や非導入、どのような条件が整えば透析中止を受け入れることができるかなど、考える機会となりました。




*「身近な家族や親族と話し合っていますか?」

 安食看護師より、昨年の「事前指示書ってなんだろう」に引き続き、上記のテーマで説明しました。昨年のアンケート結果より、身近な家族や親族との話し合いがもたれていない方が多いことが分かり、まずは今後どう過ごしたいか、最期をどのように迎えたいか、話し合いをすることが大切であることをお話しました。




 *「在宅透析で元気に」

 昨年の11月から、在宅血液透析をはじめられたIさんに、体験談を発表していただきました。当院で初めての在宅血液透析患者さまです。在宅血液透析に至る今日までの経過を、ひとつひとつ丁寧に、お話していただきました。未経験のことを創意工夫しながらクリアされていくIさんのバイタリティーと、介助者である配偶者の方やご家族の理解とサポートがあったことが大きかったと思います。

また、在宅血液透析が普及するための課題や、今後始める方のためにも、ご本人さまが在宅血液透析を続け、事故なく元気で過ごしたいとおっしゃっていたことが印象的でした。



今回の勉強会では、Iさんの体験談を通し、いかに自分に向き合って生きていくか、そして身近なひとと話し合うことの大切さを考える機会になったとしたら、主催者側としてはうれしい限りです。



また、在宅支援者(ケアマネージャー、看護師)の方を対象に、「顔の見える地域連携会」を同時開催しました。



たくさんの方に参加していただき、無事に勉強会を開催することができました。厚くお礼申し上げます。
                                患者勉強会担当チーム

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  今回、初の試みとして在宅透析をしていらっしゃるIさんに講演をお願いしました。貴重なお話をしていただき、参加された患者様のみならずスタッフも感銘を受けました。
  Iさんの御許可をいただきましたので、後日講演内容をこちらのブログにアップしたいと思います。

2019年4月3日水曜日

新年度

 4月とは思えぬ寒さの中、今週から新年度がスタートしましたね。

 我が姫野クリニックにも、新しい仲間として看護師1名が入職しました。フレッシュな力で新しい風を吹かせてくれることを期待しています。

 さて、4月1日よりスタッフのユニフォームが変わったのに気づかれましたか?姫野クリニックでは4年ごとにユニフォームをリニューアルしており、今年がまさにそのタイミングなのです。

  

             

新しいユニフォームで心機一転、新鮮な気持ちで頑張ります!

2019年3月26日火曜日

開花宣言!

 暖かい日が続くと思ったら急に寒くなったり、不安定な気候が続きます。三寒四温とは良く言ったものです。

 テレビでは東京でのソメイヨシノの開花の様子が伝えられていますが、島根はもう少し先かな~、というところですね。そんな中、クリニック駐車場のカンピザクラが一足先に咲きましたよ!


 3月も終わりに近づき、いよいよ春がそこまで来ていますね。通院の際に、少し足を止めてお花見してみてください。



2019年3月18日月曜日

フットケア学会・透析運動療法学会へ参加してきました!

この度、学会へ参加してきた看護師の立脇・鬼村・管理栄養士の廣江から寄稿がありましたので掲載いたします。

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 先月、名古屋で開催されたフットケア学会・透析運動療法学会へ3名で参加してきました。

 フットケア学会では、足の血流が悪くなった方への治療・ケアについての講演・各施設での取り組みなどを聞くことができました。また、巻き爪や胼胝(タコ)など足病変のケアについての具体的なお話もありました。足は、第2の心臓と言われる程、身体の中でも大切な部分です。いつも頑張って体を支えてくれている皆さんの足を見て、触って、労ってあげてください。

 透析運動療法学会では、透析中に行う運動や、ご家庭で行っていただく運動についてお話を聞き、実習も受けました。体を動かすことを楽しむことの大切さを学び、患者さんだけでなく私たちスタッフも運動を頑張りたいと感じました。先日、NHKの人気長寿番組でも腎不全の運動療法について取り上げられ、大変話題になっています。見逃された方は、透析中に視聴できますのでスタッフまでお声がけください。



 日本は、世界でも類を見ないほどに急速な高齢化が進んでいます。いつまでも自分の足で歩けるということは大変価値のあることだと思います。足を健康に保ち、歩く力を蓄えましょう!

 最後に…ひつまぶし、手羽先、味噌カツなどなど、名古屋グルメを堪能してきました♪美味しいものを食べ歩くためにも、健康な足はとても大切だと実感しました。


2019年2月25日月曜日

かわいいお客さんがいらっしゃいました

 今日、月水金に透析に通っていらっしゃる患者様の奥様が「クリニックの建物の横の用水路に、今年も鴨の親子が来たよ~」と教えて下さいました。その奥様曰く、毎年今頃になると鴨の親子連れがどこからともなく飛んできて、用水路のあたりでチャプチャプしているらしいのです。

 さっそく昼休みに用水路をのぞいてみると・・・
 
             あっ、いましたよ~(^^)

           
 かわいい鴨の親子?ご夫婦?
 確かに、ふっくらとした可愛い鴨が2匹気持ちよさそうに泳いでいました。しかし・・・

逃げないで~

スマホのカメラを掲げた怪しい女(筆者です)が近づいて行ったところ、警戒してお隣のマンション方面へ逃げて行ってしまいました。

 調べたところ、おそらくこの鴨の種類はマガモであろうと思われます。ウィキペディアによると、「北半球の冷帯から温帯に広く分布し、北方で繁殖するものは冬季は南方への渡りをおこない越冬する。」との事なので、渡り鳥なんですね!野生のマガモの寿命は平均して5~10年くらいだそう。また来年も姫野クリニックへ遊びに来てくれるといいなぁと思います。

2019年1月25日金曜日

インフルエンザ、流行中です!

 早いもので1月も終わろうとしています。

 「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」とは良く言ったもので、まさにその通りだなぁと毎年実感しています。年々月日が経つのが早く感じるのは私だけではありませんよね。今年の冬は暖冬傾向で今のところ雪も少なく、たいへん過ごしやすいです。このまま昨年のような大雪にならず、春が来てくれると嬉しいのですが、、、

 さて、ここのところインフルエンザが猛威を振るっています。ニュースでも毎日のようにインフルエンザ関連の話題を耳にしますし、皆さんの身近にも患者さんがチラホラいらっしゃるのではないでしょうか?姫野クリニックに通院される透析の患者さんでも、何人か罹患した方がいらっしゃいます。

 自分がインフルエンザにかからないために、またかかったとしても周囲に蔓延させないために、一人一人ができる感染予防および拡大防止策をしっかり行いましょう!

・マスクを着用する
・こまめにうがい手洗いをする
・咳エチケットを心がける
 (とっさの咳やくしゃみの際、マスクの無い場合はハンカチやティッシュで口を押さえ、顔を他の人に向けない)
・人の集まる場所への外出を極力避ける

 などなど、個人の心がけで出来ることは沢山あります。インフルエンザを予防して、元気に冬を乗り越えましょう。


 画像はクリニック駐車場の蝋梅(ロウバイ)です。
 小さ~い春見つけました!

2019年1月4日金曜日

2019年 あけましておめでとうございます

 


皆様におかれましては穏やかなお正月をお迎えのことと思います。

 昨年は、全国各地で大きな自然災害が相次ぎました。つい先日、1月3日にも熊本で地震が起こりましたね。今現在も避難生活を送っていらっしゃる方、故郷を離れて生活をしていらっしゃる方に思いを馳せると、自宅で平和に新年を迎えられたことに感謝しなければならないと実感します。

 本年は平成最後の年、また5月には皇位継承が行われ新しい元号に変わる年です。これから始まる新しい時代が希望に満ちたものであると良いですね。

 皆様にとって実りの多い1年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。